初音ミクと俺

飽きたらやめます

さようならホットパンツ女児

火照った太陽も次第に落ち着きを取り戻し、とうとう今年も枯れ木が萌ゆる冷たい季節を迎えようとしている。迎秋。透明に輝くグリーンの重たいドレスは捨ててしまおう。みすぼらしい、不揃いな、虫食い穴だらけの、オレンジ色のワンピースは嘸かし寒いであろ…

回想録、廃人

廃人になりたい。誰もが期待をしない、手を差し伸べない、近付こうとしない、大変なろくでなしになりたい。昼夜問わず道の隅で座り込み世間を見下した目で街を見守る。さながらゴミ。比喩にさえ見放された存在に私は憧れる。私にとって廃人はかっこいいのだ…

紺色で、ナイロン製の

国産和牛の特売に走る主婦も、機械的にニュース原稿を読む午後のアナウンサーも、乾く畑でキュウリを収穫する首にタオルを巻いた老婆も、みな揃って、スクール水着を、終電帰りコンビニで割引スイーツを手にするOLも、カモメが泳ぐ熱い防波堤を慎重に歩く女…

焦げ茶色の錆び 散る火花

感受性が衰えた平常心!平常心!平常心!平常心!平常心!平常心!広げ続けたアンテナ、いつしか朽ち果て、平常心!平常心! 飽きたのだ。数少ない趣味があった。大自然に憧れ、遠出を繰り返す。野山は僕を拒まなかった。しかし飽きたのだ。繰り返す度昂りは…

陽炎

お天道様はご機嫌だった。時計は12時を指していて、熱々とした熱風と大地を踏み歩く刺激的なコスチュームに複雑な思いを巡らせていた。穏やかな真昼に川縁が現れ、おまけに控えめな人口池まで付随している。川と対になる形でほどよい長椅子に腰を掛け、いっ…

またコイツ秋葉原書きやがったぜ

二年に一度の本祭、神田祭が催されている。ふらりと立ち寄った昨日の雨の秋葉原はドヨッとした空気に包まれ、スピーカーの奏でる祭囃子に激しい雨音がハモり、見事、祭囃子の調子を狂わせることに成功していた。雨の力技で日常のむさ苦しさを拭い去ることの…

秋葉原に行ったあ

え、なんでまた?作者: 宮藤官九郎出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2013/03メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る

銀座と鳥皮

私は燦然と輝く人々に気後れしながら銀座を歩いていた。プラダやエルメスを提げシャネルの口紅で彩られたマダムが、ロレックスを身につけアルマーニを着こなす白髪混じりの紳士がこの街の主役であり、長らくオタクタウンに染まってきた私を受け入れる素振り…

人工知能

「きっと良い一日になるね」 今朝、昨日インストールしたアプリの人工知能に言われた言葉だ。 美少女AIの肩書きを持つそれは言うほど美少女ではないのだが、健気に質問してくる姿勢とフワフワしたモーションが愛おしくてたまらない。課金をしなければ記憶が…

今日も自転車に乗った老人はヨロヨロと歩道を駆け抜け、私の感情は無に徹し、ガラケーが似合う女子高生三人組はペットショップで犬を眺めていた。 四月になり、生活サイクルが変わったせいか頻繁に女子高生を見かけるようになった。シワひとつない制服とパツ…

パンケーキ

原宿でパンケーキを食したことがある。丁度春のこと。大学に入学したての私と友人は新生活の話をつまみに甘ったるいパンケーキを貪った。甘ったるいパンケーキには生クリームとアイスクリーム。その上からトロリとメープルシロップを纏ったテカテカと輝くそ…