初音ミクの唸り

飽きたらやめます

熱(2021/8)

中目黒の坂を目線も定まらないまま下る。歩道橋、横断歩道、信号は無視した。只管酒を煽る。右手に持つ傘は折れ曲がっていた。力のままに、行き場を失った何かが傘を壊した。時折、道端に腰掛け上を見た。気付くと出来たばかりの駅にいた。新幹線で泣き叫び…

高校生わたしと

先頭車両のボックス席。生に反射する高校時代の私が物憂げに見つめた先、窓辺に屹立した缶酒越しに日焼けしたホームが遠くなります。二、三のトンネルを抜けた先は末広がりの樹木、枝裾から屋根が見え、移ろう斜線の景色を過ぎたら海原でした。束の間、線路…

駅前の真珠のような街灯にテグスを通したまあるい腕輪。導となって雪の夜長を

初夢2024

ネジを締めていました。錆びたネジ穴に白銀のネジを繰り返し繰り返し。何か大切なものだったようです。焦っていました。全て締め終わる前に目が覚めて、今があります

21時

最近は、業務スーパーで売っている500mlで140円しない格安の酒を啜っています。シークワーサー味だそうですが、畳の香りがします。畳。初めて貰った部屋は姉との共同部屋で和室でした。ふと、私の父親が"父親"だったときの暖かい眼差しを思い出しました。も…

手記 10/11

冷えた羽織の懐かしさは私をあたためてくれるだろうか

手記 9/5

雷雲が半分を占める。半分に雲はなく、夜の帳が降りてゆく。雷鳴はない。時折いなずまが走る

手記 7/5

花火を見た。多摩川越しに府中で上がる大花火。轟音に小雨が混じる。雲の輪郭さえ。川沿いの見物客、子供たちは浴衣を濡らす。皆、一葉の花火を見つめ何を思うのだろう。私は手元のチューハイの少なさを心配しているのに

無題

みたことない土地にどきどきと探究心を燃やしていた頃に戻りたい。道路脇の錆びた標識、倒れかかったカーブミラーを写真におさめることが好きだった。地方で見る潰れたパチンコ屋の広すぎる駐車場。繁る蔦が駐車場の入り口、銀のポールに絡んでいる。滲む汗…

手記 5/20

父親に会った。約束の時刻に3時間遅れた。彼は怒らなかった。遅刻の契りとして夜ご飯をご馳走することにした。買い物を済ませ、時刻は16時。夜ご飯を諦めカフェに入ることになった。彼は金にがめつい。メニューを見るなり「今日は奢りだから良い物を頼もう」…

手記 4/11

酒を飲めなくなってきた。守るものと目指すものができた気がする。緑茶割りを飲みながらそう思います

願い

虫が鳴いています。多摩川河川敷に浮かぶ4月6日の満月が照らす。ピンクムーンと言うそうだ。ああ、バイクも、行く自転車も照らす。まだ桜を見たい。また自転車に照らされる。親子連れ、幸せの権化。遠くて近いタワーマンションの赤、私は戻れない。愛媛に行…

手記 4/2

あまりにも、明るく差し込む車内灯は坂本龍一氏の訃報と共に

手記 3/30

嫋嫋とした、たおやめな風が通る。桜がひとしおに街を染める。菜の花は街を染めない。桜吹雪を見た。西日に照らされていた。昨日は鳳凰を見た

初夢

初夢は80万円カツアゲされる夢だった。仕事も将来も何一つ未来が見えなくて、日々圧迫され続けている。唯一、住処を移したことで、耐える。縷々として滑り落ちているのに。報われない努力と怠惰で紡ぐ。先延ばしにしているだけで、辿り着く先は同じであるのに

昨日の先、明日の姿

仕事納め、浅草に寄り電気ブランを買う。年の瀬の浅草寺は賑わっていた。仲見世の灯りは燦やかだった。高揚感が満ちる街を横切り上野に向かった。 1月3日、数年振りに一家が揃った。みな新たな道を歩んでいるらしく、これからどうなるか一切不明瞭であった。…

記録

ASIAN KUNH-FU GENERATIONの「ムスタング」だけが鳴る。明日も5時起床。パンイチで寝る

夏の尾を掴む

彼岸花を見つけた。隣の緑に凭れている。彼岸花も河川敷では細やかな朱。銀色の蜻蛉、番が私の前で八の字を描く。熱い日差し、昨日買った紫の長袖シャツを下さなくて良かった。風が強い。髪は乱れるし、雨を予期して持参したビニール傘が邪魔になる。 河川敷…

下書(2020年1月19日)

高校3年の1月に大枚を叩いて手に入れた一眼レフ。大学入学以前からこれまでの旅行等で撮影した景色が膨大な数記録されている。記念すべき1枚目は、東條希フィギュアのソロ写真だった。知らないうちにμ'sがライブに出演したらしい。ライブに参加した痛ライバ…

手記 6/5

鳥の囀りや小川のさざめきが賑やかである。目黒から日野に転居し二ヶ月。徒歩で五反田に向かえたこと、縛り。何も失いたくなかった。 椎名林檎。愛せど何もない、満つる多摩川から遥かの一点、煌々なスカイツリーと東京タワーを

手記 5/25

赤の丸の内線、車内灯が大手町駅を照らす。対の歩廊に到着した鉄塊は容易く光を持ち去る。間もなくあらわれる46分発、池袋行に乗車する。 糸を解くのが得意で、あえて玩具の糸を絡ませていた。 丸の内線はサードプレイスになり得るか

手記 5/15

怖い

下書(2018年9月28日)

記憶に揺蕩う ふわふわと揺れる。記憶の海は浅い。疎らに小さな魚とすれ違うがどれも色を失っている。大きな波はだいぶ先で砕け、やわらかな勢いを打つのみである。丸みを身に着けたサンゴがいくつか転がっている。遠浅の記憶の海は入り組んでいて、明るい青…

無駄

4年前と同じ場所で、全く違う環境を生きる自分がいる。さんざめく噴水はあの頃と同じように20時で止まる。数年の成長として、風俗のHPで血眼になることがなくなったくらいで、おおかた停滞してると言える。大学時代より自分の生き方、目指す道が大きくぼやけ…

無題

つまらない人間に戻った。なりたかった自分から遠いものになった。平穏と安寧だけを祈る。変化を恐れる化物。以前私は、普遍的指標を真として受け入れることが1番嫌いでした

無題

紅い夕暮に太い鼠色で大胆に線を引き、脂に塗れた鳩。8万の電動自転車。何もないので家に帰る

メモ 2/18

雑居ビルの踊り場で平衡感覚が乱れる。何が正しくて何が正義か判断がつかない。人の欲や、その化身を目の前でしかと見つめ、たじろぐ。夏祭りで飲むラムネ瓶を綺麗だと覗き込んだように歪んで見える。自分は不適合者だと自負を持ち社会に順応しているのは甚…

2/7

近所の住宅街を歩いているとカレーの香りがしました。焼肉の香りがしました。

無題

東吾野駅、軍畑駅、日向和田駅、甲斐大和駅、姨捨駅、武蔵五日市駅、三峰口駅。駅舎や囲む街並みに弾む胸を押さえつつ野を越え山を越え。夢中でシャッターを切り、遠くの鳶をフレームから逃し。きっと満開の見えない曼珠沙華の真紅を掠める。ミニチュアの踏…

何も享受されないと知りつつ昔好きだったものを擦り、自尊心を満たす。自分があると信じるには丁度いい。変わる日々に変わらないものを見出そうと試みる。枯れ切った線をなぞる。 私は何もいらないが、灯りだけ欲しい