初音ミクの唸り

飽きたらやめます

手記 5/20

父親に会った。約束の時刻に3時間遅れた。彼は怒らなかった。遅刻の契りとして夜ご飯をご馳走することにした。買い物を済ませ、時刻は16時。夜ご飯を諦めカフェに入ることになった。彼は金にがめつい。メニューを見るなり「今日は奢りだから良い物を頼もう」と宣う。「おお、煙草吸うんだな」彼と離れて十数年経つ。彼は1月に仕事を辞めた。今は時給1,200円で働いているそう。「もうやりたいことはやった。20代は酒を飲み、大変な良い思いをした。30前後で結婚し子供ができた。40代は仕事に尽くした。50過ぎて管理職にも就いた。世代交代だよ、これからは穏やかに暮らす。これはいつか来るものだよ」

 

時給制になった彼と経歴がボロボロで転職したての私の収入は変わらなかった。父親譲りの見栄を張り会計を済ませた