ボロボロに破れた継ぎ接ぎだらけの障子から朝が射し込んだ。時刻は6時00分で、姉が素早く布団をたたんだ。私も急かされるように布団をたたんだ。ときには5時前に起こされ、テレビは試験電波を延々と発していた。二人は朝食も摂らず外へ飛び出し、ピカピカの…
祖父母に会った。相変わらずエネルギッシュな祖母が開口一番、昨日の浅草紀行を語り始めた。父方の生家は風通しが抜群に良く、あたたかく若葉色の少し湿気おびたやわらかいいきおいが私を歓迎した。草木の脈動が常に耳をかすめ、祖母が浅草紀行を遥か彼方で…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。