初音ミクの唸り

飽きたらやめます

2018-01-01から1年間の記事一覧

終了

ようこそ。今日は気遣い、緊張要りません。リラックスしてお掛けください。貴方にとって有意義な時間を過ごせればと思います。自分の話をしてもよし、アタシの話をしてもよし。就活について質問があればお答えします。自己分析がまだ、ということですが、ま…

手記 11/20

月が出ているらしい。今の席からはわずかも覗けない。大崎の人気のない広場では噴水がけたたましく噴き上がっている。家路を急ぐサラリーマンが広場を横切る姿は安酒の肴としてうってつけで、自分が社会の歯車になっていないことの証明になっている。安心感…

手記 10/24

季節の移ろいを呑気に眺めていると大学3年の終盤に差し掛かっていた。マジョリティに反抗し怠惰を極めた3年間は何の役に立っただろうか。確固たる自分が欲しくてあらゆるキャラクターを自己としてきた結果自分は何になれただろうか。今年も着々と目黒川のラ…

小湊鐵道養老渓谷ゆき

まだ青い実りがさわさわと、優しく受容するのは豊穣の女神が微笑むからではなく。 まもなく発車した小湊鐵道養老渓谷ゆきは小さな加速をする。まばらな屋根に浮かぶ入道雲は青のハイライトに溺れている。木々が青の調べを奏で、そのせいか車輌も共鳴している…

抱いた嬢の名前全員忘れた

どんな理想主義もやがて潰えて、無機質で淡白な現実主義へと変貌するのは世の摂理であることに間違いなかった。殴り書きの理想を求め足掻き苦悩したところで結果は変わらず、そしてなにより足掻いた年月が長いほど周囲の目から謬見は排除されてゆく。もはや…

2003現在

ボロボロに破れた継ぎ接ぎだらけの障子から朝が射し込んだ。時刻は6時00分で、姉が素早く布団をたたんだ。私も急かされるように布団をたたんだ。ときには5時前に起こされ、テレビは試験電波を延々と発していた。二人は朝食も摂らず外へ飛び出し、ピカピカの…

手記 5/3

祖父母に会った。相変わらずエネルギッシュな祖母が開口一番、昨日の浅草紀行を語り始めた。父方の生家は風通しが抜群に良く、あたたかく若葉色の少し湿気おびたやわらかいいきおいが私を歓迎した。草木の脈動が常に耳をかすめ、祖母が浅草紀行を遥か彼方で…

小児性愛者

春爛漫、めでたく胸襟を開いて語る機会が激減した。コミュニケーションを取る相手はみな、長年培った常識的な回路で演算した模範解答を述べる。私は常識が欠落していて、ボキャブラリーに乏しく、トロいため、相手の表情を伺いつつ錆びた回路で演算しやっと…

汚い男

今日も夜が短い。老婆が高級車に轢かれる寸前の空間を切り取る。老婆と高級車は姿を消す。ブックオフ店内、汚い男の立つ空間を切り取る。ブックオフの汚い男が姿を消す。駅の改札前、icカードの取り出しにモタ付く女の立つ空間を切り取る。ムカつく女が姿を…