初音ミクの唸り

飽きたらやめます

熱(2021/8)

中目黒の坂を目線も定まらないまま下る。歩道橋、横断歩道、信号は無視した。只管酒を煽る。右手に持つ傘は折れ曲がっていた。力のままに、行き場を失った何かが傘を壊した。時折、道端に腰掛け上を見た。気付くと出来たばかりの駅にいた。新幹線で泣き叫び、歌い、意識の狭間でどうしようもなくなった頃新潟に着いた。翌る日、曇天の新潟は私を嗤った。それでもここが好きだった