2020-01-01から1年間の記事一覧
年の暮れに相応しい目黒川には数多の想いが流れていた。あくる年の幸せを願う者、孤独を愛する者、サイゼリヤの看板、テイクアウトのうどんを抱える者。みな引き寄せられ、みな流れていた。あくる流れに願いを込める。池上線が川面を揺らす
晴らすほどの鬱憤も無く、どんよりとした疲労と不安が積み重なる。以前のルーティンでは解消できない霞を蓄える。加速する日々が私を置いていくので、精一杯走るが、
厚い雲が不穏な明るみをもたらす。鼠色の天窓。静まり返った室内にエアコンと扇風機が名残惜しんでいる。私が目を開けているうちは。 普通の生活へ踏み出すことの恐怖、普通の生活への愉悦感。時折り雨が降る。
自由が丘第二踏切の手前、アスファルトにセミを見る。遮断器が上がり、赤いベンツ、黒いレクサスが横をすべる。二度歩行者信号で止まり右折。押し寄せる小学生の波に飲まれる。
微かに映る景色。朝焼けのすこし後。滑走路を走る車輪が浮く。火花のように光る大きな鋼が猛々しく極東へ向かう。傀儡の矢は一筋の線を描くように泳ぐ
高1で無免許運転に喫煙。創作物ながら世間から逸脱した姿は憧れで、自分も逸脱すれば格好良いと思っていた。酒に煙草に博打に風俗と、俗物を過度に嗜むことが格好良いと思っていた。幼い価値観であった。俗物に縋り自己を築くことしか才能の無いことを認めた…
流行りの雑誌を積み上げた6畳間。染毛料の空箱。焼けた畳に煙草の灰。立て掛けたベース。ホコリを被ったダーツボード。ブラウン管に載せた置き時計とマスコット。JUDY AND MARY『BLUE TEARS』。ライターと整髪料と幾葉の写真。無造作に貼られたLAのステッカ…
事故ゼロ運動実施中!無事故記録1日目の看板。青々と佇む陸奥湾に掲げた缶ビールは青森駅のコンビニで買った。何もしなかった。時も流れなかった。人も来ず、音も風も来なかった。私と太陽だけが居て、ゆったりと太陽がもたれ掛かってくる。やがて凪に太陽が…
数日経ち靄が晴れ動悸が早くなる。恐れていた心理状態の一歩手前に陥っており、衝撃ひとつで心の歯車が噛み合わなくなる気がする。昼は夜に、夜は昼に希望を抱く。暗澹と焦燥感の混じった汗が滲む。梅雨の晴れ間のように、一瞬だけ光が差す。幻やもしれない…
マスクを外せば未熟な気怠さが突き抜けた。蚊が飛んでいた。上着をいつ手放したのか。 私は今をすべっている。何かを掴むことができず、すべり続けている。傾いている今から延々と。抵抗しているのかしていないのかわからない。抵抗の意味もないかもしれない…
戻る場所もなくて進む脚もない。逃げる術もない。ビッグブラザーが見ている
キリンが首を凭れている。キリンは公園に穏やかな表情を振りまく。一年弱に及ぶ改装が終わったこの公園では、忙しない現代に生きる親たちに代わって偽慰安婦像が温かく子供たちを見守っているので安心だ。いま、私はここにいる。 目覚ましが鳴った。染井吉野…
見慣れた街灯、過ぎ行く自転車。NECTARのなくなった自動販売機。ところどころ欠けた電光掲示板。ブログを辞めたい