初音ミクの唸り

飽きたらやめます

無題

みたことない土地にどきどきと探究心を燃やしていた頃に戻りたい。道路脇の錆びた標識、倒れかかったカーブミラーを写真におさめることが好きだった。地方で見る潰れたパチンコ屋の広すぎる駐車場。繁る蔦が駐車場の入り口、銀のポールに絡んでいる。滲む汗と空腹。止まない蝉の音。ああ、コンビニは2km先のデイリーヤマザキか。パンを買い足し程なくして小さな川に腰を下ろす。地元の人々が後ろを通ることに目もくれず、ただただひとり空腹を満たした。当時の私は全力で無駄を謳歌していた