初音ミクの唸り

飽きたらやめます

小児性愛者

春爛漫、めでたく胸襟を開いて語る機会が激減した。コミュニケーションを取る相手はみな、長年培った常識的な回路で演算した模範解答を述べる。私は常識が欠落していて、ボキャブラリーに乏しく、トロいため、相手の表情を伺いつつ錆びた回路で演算しやっとの思いで導き出した呻き声をあげるが、おそらく期待にそぐわなかったようである。

 

孤独が押し寄せてくる感覚を味わう。見たこともない顔と言の葉を交わし合い、肢体を絡める。舌を絡める。ここに意思はなく、雑居ビルの一室、力なく回る換気扇から覗く五反田のネオンは退廃的な終末感を帯びていて、私の堕落をより決定的なものにさせた。

 

孤独が押し寄せてくる。動悸が高まる。将来への不安と、20年かけて築き上げた今がハリボテでしかないこと。アルコールが竹馬の友だと親に紹介。家庭環境が悪く還る場所がないこと。酒を入れて筆を進める。

 

孤独が押し寄せてくる。小児性愛者として早数年を駆け抜けた。これは人生の1/4を占めた。この異常思考を止めたことはなく、人生観、美徳に甚大なる影響を与え、真理に近づくと共に、とても気持ち悪い男が出来上がった。

 

春爛漫、今宵 アルコールに依存している